夏のボーナスをめぐるかみさんとのかけ引き

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うちは家でお金の話を滅多にしません。

実際に明細を見せ合うことはしないです。
だからお互い、相手の本当の収入はわかりません。
でもかみさんがお給料少ないのも知ってるし、向こうも俺が給料少ないのを知っている。

かみさんが不意に聞いてきました。

「ボーナス出たの?」


「出たよ。〇〇(かみさん)は?」

「出たよ。5万」

「ふ~ん。俺も5万」

「うっそだ。5万ってことないでしょ」


なかなか食い下がってくる。
こういうときは要注意だ。
もう身に染みて体が学習している。

「いや。そんなもんだよ。〇〇と同じだね」



「あのさードレッサー買ってよ」
「ほらここにちょうど置けそうじゃない」
「もう見てきて決めてあるんだ」
「あんまり高くないのにしたからさ」
「今度の日曜日に買いに行こうよ」



連続で言葉を発射させられて入り込む余地がない。

もう駄目だ。
完全に固められている。



「あ!それから先月の携帯代〇〇円頂戴」
うちはどういう経緯か忘れたけどかみさんが一括で支払って俺の分は後から現金で渡すようにしてます。

「わかった。携帯代金渡すからドレッサーは自分で買ってね」

「え~じゃ携帯代いらないよ。ドレッサー買って」←意外と冷静


他に何か手はないか考える。
しかし思い浮かぶ前にかみさんは笑って近づいてくる。

「大丈夫だよ。あればぼーるも使うって」
「決まりね」


詰んだ




まあ普段節約生活してもらってるし女性なのにドレッサーないのもかわいそう。
今回は買ってあげようと思った。

でもぜぇ~ったい5万で買えるはずはないと思う。